アレルギー性結膜炎とは?(花粉症も含む)
アレルギー性結膜炎とは、目の表面に花粉などのアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)が付着して、結膜に炎症を起こす病気です。
結膜とは、まぶたの裏側と白目の部分を覆っている粘膜のことです。
アレルギー性結膜炎は、アレルギー性鼻炎やぜんそく、アトピー性皮膚炎などにかかったことがある人、家族にアレルギー体質の人がいる場合などに多くみられます。
季節性アレルギー性結膜炎ではスギ、ヒノキやブタクサ、イネなどの花粉がアレルギー反応の原因となり、通年性アレルギー性結膜炎ではハウスダスト、ダニ、カビなどが原因でかゆみや充血、目やになどの症状を引き起こします。重症になると、巨大乳頭結膜炎や小児男児では春季カタルと呼ばれる状態になります。
症状
アレルギー性結膜炎では次のような症状が引き起こされます。
- 目のかゆみ
- 目の充血
- 目の異物感(ゴロゴロ)
- 目やに(涙のようにサラサラした水状のもの)
- 流涙(涙が出る)
- まぶたの裏にぶつぶつができる
治療
眼科で行われるアレルギー性結膜炎の治療の基本は、薬物療法となります。薬物療法の目的は日常生活に支障がないように、かゆみの症状を軽くすることが中心となります。
目の症状・鼻炎症状には、目薬・飲み薬・点鼻薬等で治療をします。
アレルギー性結膜炎のなかでも、症状の出やすい時期が予測できる花粉などが原因のアレルギー症状の場合には、『初期療法』という考え方が適用されます。花粉が飛び始める前から治療を開始することにより、 花粉症の症状を予防したり、期間中の症状を軽減することができます。毎年花粉症がひどい場合は、症状があらわれる前に眼科を受診することをおすすめします。また抗アレルギー点眼薬は比較的副作用の少ない薬です。使用中は勝手に中断することなく、眼科医の指示に従って使うことが大切です。
予防について
アレルギー性結膜炎の対策のポイントは、日常生活でできるだけアレルゲンに触れないことです。
花粉対策

- 外出時は花粉用メガネ、マスク、帽子を着用する
- 帰宅時に衣類や髪に付いた花粉を払い落とす
- 帰宅後は手洗い、うがい、洗顔を心掛ける
- 洗濯物、布団は花粉を払い落としてから取り込む
ハウスダスト対策

- 掃除機でこまめに掃除をする
- ホコリが溜まりやすい場所は、濡れ雑巾などで拭く
- たたみやじゅうたんはダニが繁殖しやすいため、床はフローリングにする
- 布団は天日干しをする
※花粉症とスギ花粉の飛散量
花粉症に悩む人は毎年増え続けています。この理由の1つに花粉症の原因となるスギ花粉の飛散量が増えていることが指摘されています。
スギ花粉の飛散量は前の年の夏の気候に大きく影響されます。猛暑で雨の少ない夏の翌年は、花粉の飛散量が多くなるといわれています。また花粉が飛び始める時期は1~2月の気温に影響されます。この時期の気温が高いとスギの花芽の活動が早まり、花粉も早くから飛散するといわれています。天気予報や花粉情報に気を付けて早めの対策を心掛けましょう。